ファクタリング

ファクタリングのデメリット・リスク|利用前に知るべき注意点

2025年12月15日(更新 2026年10月25日) MBI経済ニュース編集部

ファクタリングのデメリット・リスク|利用前に知るべき注意点

ファクタリングのデメリットとリスクを徹底解説。手数料の高さ、継続利用のコスト、依存体質のリスクなど7つのデメリットと5つのリスクを紹介。デメリットを軽減する対策や、利用すべきケース・避けるべきケースの判断基準まで詳しく説明します。

ファクタリングは売掛金を早期に資金化できる便利なサービスですが、メリットばかりではありません。手数料の高さや継続利用のリスクなど、利用前に知っておくべきデメリットがあります。

本記事では、ファクタリングの7つのデメリットと5つのリスク、そしてデメリットを軽減するための対策を詳しく解説します。ファクタリングを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

ファクタリングの7つのデメリット

ファクタリングには以下のようなデメリットがあります。利用を検討する際は、これらを十分に理解しておきましょう。

①手数料が銀行融資より高い

ファクタリングの最大のデメリットは、銀行融資と比べてコストが高いことです。

資金調達方法 コスト目安
2社間ファクタリング 8〜18%/回
3社間ファクタリング 1〜9%/回
銀行融資 年1〜5%程度
ビジネスローン 年5〜18%程度

例えば、100万円の売掛金を手数料10%でファクタリングすると、10万円のコストがかかります。入金サイトが2ヶ月の売掛金であれば、年率換算で約60%にもなります。

【年率換算の計算例】

手数料10% ÷ 2ヶ月 × 12ヶ月 = 年率60%相当

②売掛金の範囲内でしか資金調達できない

ファクタリングは売掛金を売却する取引のため、調達できる金額は保有する売掛金の範囲内に限られます。売掛金が100万円しかなければ、100万円(から手数料を引いた額)しか調達できません。

大きな設備投資や事業拡大のための資金調達には、銀行融資など他の方法を検討する必要があります。

③売掛先の信用力に左右される

ファクタリングの審査では、売掛先(取引先)の信用力が重視されます。売掛先が中小企業や経営状況の悪い会社の場合、以下のような影響があります。

  • 審査に通らない可能性がある
  • 手数料が高くなる
  • 買取可能額が減額される

自社の経営状態が良くても、売掛先の信用力が低ければファクタリングを利用しにくいというデメリットがあります。

④継続利用でコストがかさむ

ファクタリングを継続的に利用すると、手数料が積み重なって大きなコストになります。

【継続利用のコスト例】

毎月500万円の売掛金を手数料10%でファクタリングした場合

月間コスト:50万円 × 12ヶ月 = 年間600万円

この600万円は、そのまま利益の減少につながります。継続利用が前提になると、経営を圧迫する要因になりかねません。

⑤3社間では売掛先に知られる

3社間ファクタリングでは、売掛先への通知と承諾が必要です。これにより、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。

  • 「資金繰りが厳しいのでは」と思われる
  • 取引関係に影響が出る可能性がある
  • 与信管理を厳しくされるリスクがある

売掛先との関係性を重視する場合は、通知不要の2社間ファクタリングを選ぶことが多いですが、その分手数料は高くなります。

⑥債権譲渡禁止特約のある売掛金は注意が必要

売掛先との契約書に「債権譲渡禁止特約」が含まれている場合、ファクタリング利用に注意が必要です。

2020年の民法改正により、債権譲渡禁止特約があっても債権譲渡自体は有効になりました。しかし、売掛先との契約関係に影響が出る可能性があるため、事前確認が重要です。

⚠ 注意

債権譲渡禁止特約がある場合、売掛先から契約違反を主張される可能性があります。ファクタリング会社に相談のうえ、慎重に判断しましょう。

⑦悪徳業者に遭うリスクがある

ファクタリング業界には登録制度がなく、参入障壁が低いため、悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があります。金融庁も注意喚起を行っており、以下のような被害が報告されています。

  • 法外な手数料(30〜50%以上)を請求される
  • 契約後に追加費用を請求される
  • 実質的に違法な貸付けを行う「偽装ファクタリング」
  • 給与ファクタリングを装ったヤミ金融

業者選びを誤ると、資金繰り改善どころか、さらに悪化するリスクがあります。

ファクタリング利用時の5つのリスク

デメリットに加えて、ファクタリング利用時には以下のようなリスクも認識しておく必要があります。

リスク①:資金繰り悪化の根本解決にならない

ファクタリングは「入金時期の前倒し」であり、売上そのものを増やすわけではありません。資金繰りが苦しい根本原因(売上不足、コスト過多、入金サイトの長さなど)を解決しなければ、一時的な延命措置にしかなりません。

ポイント:ファクタリングはあくまで「つなぎ」として活用し、並行して経営改善に取り組むことが重要です。

リスク②:手数料負担で利益が圧迫される

ファクタリング手数料は、そのまま利益の減少につながります。利益率が低い業種では、手数料負担により赤字に転落するリスクもあります。

【利益への影響例】

売上1,000万円、利益率10%の取引(利益100万円)

↓ 売掛金1,000万円を手数料10%でファクタリング

手数料100万円を差し引くと、利益ゼロ

リスク③:依存体質になりやすい

ファクタリングを一度利用すると、「また使えばいい」という意識が生まれやすく、依存体質に陥るリスクがあります。

  • 毎月ファクタリングを利用しないと資金が回らない
  • 手数料分だけ利益が減り続ける
  • 経営改善のモチベーションが下がる
  • 抜け出せない悪循環に陥る

依存度が高まると、ファクタリングなしでは事業が回らなくなり、最終的には経営破綻につながる恐れもあります。

リスク④:売掛先との関係悪化(3社間の場合)

3社間ファクタリングで売掛先に通知した場合、以下のような関係悪化のリスクがあります。

  • 「経営が厳しいのでは」と不安を持たれる
  • 今後の取引に慎重になられる
  • 支払条件の見直しを要求される
  • 競合他社に切り替えられる

売掛先との信頼関係を重視する場合は、3社間ファクタリングの利用は慎重に検討する必要があります。

リスク⑤:契約内容の見落としによるトラブル

契約書の内容を十分に確認せずに契約すると、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

  • 償還請求権あり(ウィズリコース)で、売掛先が支払えない場合に自己負担
  • 追加費用(事務手数料、登記費用など)の発生
  • 契約解除時の違約金
  • 分割払いの強制(実質的な貸付け)

🚫 要注意

契約書に「償還請求権」「買戻し義務」などの文言がある場合、売掛先が支払えないと自分で負担することになります。必ず確認しましょう。

デメリットを軽減するための対策

ファクタリングのデメリットやリスクを軽減するために、以下の対策を実践しましょう。

複数社から見積もりを取る

ファクタリング会社によって手数料率は大きく異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取り、比較検討することで、手数料を抑えられる可能性があります。

見積もり比較のポイント 確認事項
手数料率 同じ条件で比較する
追加費用 事務手数料、登記費用などの有無
入金スピード 急ぎの場合は重要
契約条件 償還請求権の有無など

手数料の内訳を確認する

「手数料10%」と言われても、その内訳を確認することが重要です。基本手数料以外に、以下のような費用が加算されることがあります。

  • 事務手数料
  • 審査料
  • 登記費用(債権譲渡登記を行う場合)
  • 印紙代
  • 振込手数料

契約前に「総額でいくらかかるか」を明確にしてもらいましょう。

利用頻度・期間を限定する

ファクタリングは「一時的なつなぎ資金」として利用し、継続的に依存しないことが重要です。

ファクタリング利用のルール例

  • 利用は3ヶ月以内と決める
  • 月間売上の○%以内に限定する
  • ファクタリング利用中は経営改善に集中する
  • 卒業時期(ファクタリング不要になる時期)を設定する

契約書を隅々まで確認する

契約書は必ず隅々まで確認し、不明点は納得するまで質問しましょう。特に以下の点は重要です。

  • 償還請求権の有無
  • 手数料以外の費用
  • 契約解除時の条件
  • 売掛先への通知の有無・方法
  • 売掛金が回収できなかった場合の対応

ファクタリングを使うべきではないケース

以下のようなケースでは、ファクタリングの利用は慎重に検討すべきです。

慢性的な資金不足の場合

毎月のように資金が不足する状態が続いている場合、ファクタリングは根本的な解決策になりません。手数料負担でさらに資金繰りが悪化する可能性があります。

この場合は、以下のような根本的な経営改善が必要です。

  • 売上増加・利益率改善
  • コスト削減
  • 入金サイトの交渉
  • 事業モデルの見直し
  • 銀行融資やリスケジュールの相談

手数料で利益が消える場合

利益率が低い取引に対してファクタリングを利用すると、手数料で利益が消えてしまいます。例えば、利益率5%の取引に10%の手数料を払えば、実質的に5%の赤字です。

⚠ 判断基準

その取引の利益率 > ファクタリング手数料率 であることを確認しましょう。

他の資金調達手段がある場合

銀行融資やビジネスローンなど、より低コストの資金調達手段が利用できる場合は、そちらを優先すべきです。ファクタリングは「他の手段が使えないとき」の選択肢として考えましょう。

資金調達手段 優先順位 理由
銀行融資 1位 金利が最も低い
日本政策金融公庫 2位 低金利・審査が比較的柔軟
ビジネスローン 3位 銀行より審査が緩やか
ファクタリング 4位 スピードは早いがコスト高

ファクタリングを使うべきケース

デメリットがある一方で、ファクタリングが有効な場面も確かに存在します。

急ぎで資金が必要なとき

「今週中に支払いがある」「来週の仕入れ資金が足りない」など、緊急の資金ニーズにはファクタリングが適しています。銀行融資では間に合わない場合、手数料を払ってでも資金を確保することが経営判断として正しいケースがあります。

銀行融資の審査に通らないとき

赤字決算や税金滞納などで銀行融資の審査に通らない場合、ファクタリングは数少ない選択肢の一つです。売掛先の信用力さえあれば利用できるため、経営再建の「つなぎ資金」として活用できます。

一時的なつなぎ資金が必要なとき

以下のような一時的な資金ニーズには、ファクタリングが適しています。

  • 大型案件の受注に伴う仕入れ資金
  • 繁忙期の人件費増加への対応
  • 銀行融資実行までのつなぎ
  • 入金サイトが長い新規取引先との取引開始時

ファクタリングが有効なケースの共通点

  • 一時的・短期的な資金ニーズである
  • 手数料を払っても利益が残る
  • ファクタリングで得た資金で、より大きな利益を生み出せる
  • 経営改善に向けた計画がある

よくある質問(FAQ)

手数料は経費にできる?

はい、ファクタリングの手数料は経費として計上できます。勘定科目は「売掛債権売却損」や「支払手数料」として処理するのが一般的です。経費として計上することで、課税所得を減らす効果があります。ただし、手数料が利益を上回る場合は赤字になるため、注意が必要です。

何回も使うと信用に傷がつく?

ファクタリングは借入ではないため、CICやJICCなどの信用情報機関には記録されません。そのため、何回利用しても信用情報に傷がつくことはありません。ただし、ファクタリングを頻繁に利用していることを銀行に知られた場合、「資金繰りが厳しいのでは」と判断される可能性はあります。

デメリットを上回るメリットはある?

状況によっては、デメリットを上回るメリットがあります。例えば以下のようなケースです。

  • 大型案件の受注:手数料50万円を払っても、500万円の利益が得られる案件を受注できる
  • 倒産回避:ファクタリングで資金繰りをつなぎ、経営再建に成功する
  • 信用維持:取引先への支払い遅延を防ぎ、信用を守る

重要なのは、手数料と得られるメリットを冷静に比較し、合理的な判断をすることです。

まずは相談してみよう

「ファクタリングを利用すべきか迷っている」「自社の状況に合った資金調達方法を知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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