資金繰り入門

資金繰り表の作り方|テンプレート付きで初心者でも簡単

2025年11月30日(更新 2026年10月25日) MBI経済ニュース編集部

資金繰り表の作り方|テンプレート付きで初心者でも簡単

資金繰り表の作り方を初心者向けにわかりやすく解説。無料テンプレートのダウンロード方法、記入例、活用のポイントまで網羅。資金ショートを防ぎ、経営の安定につなげましょう。

「資金繰りを管理したいけど、何から始めればいいかわからない」「資金繰り表を作ったことがない」——そんな経営者や個人事業主の方は多いのではないでしょうか。

資金繰り表は、お金の「入り」と「出」を見える化し、資金ショートを防ぐための必須ツールです。難しそうに感じるかもしれませんが、基本を押さえれば誰でも作成できます。

本記事では、資金繰り表の作り方を初心者向けにわかりやすく解説します。無料でダウンロードできるExcelテンプレートもご用意しましたので、ぜひ今日から資金繰り管理を始めてみてください。

資金繰り表とは?

資金繰り表の定義

資金繰り表とは、一定期間の現金の入金と出金を記録・予測し、手元資金の残高を把握するための管理表です。

「いつ・いくらのお金が入ってきて、いつ・いくら出ていくのか」を時系列で整理することで、将来の資金不足を事前に察知できます。

資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違い

項目資金繰り表キャッシュフロー計算書目的将来の資金予測・管理過去の資金の動きを報告対象期間未来(日次・週次・月次)過去(四半期・年次)作成義務なし(社内管理用)上場企業は作成義務あり形式自由(会社ごとにカスタマイズ)会計基準で定められた形式

資金繰り表は「これから先の資金管理」、キャッシュフロー計算書は「過去の結果報告」という違いがあります。中小企業や個人事業主にとって重要なのは、将来を予測する資金繰り表です。

なぜ資金繰り表が必要なのか

  • 資金ショートを事前に察知できる
  • いつ・いくら資金調達が必要かわかる
  • 無駄な借入を防げる
  • 経営判断の根拠になる
  • 金融機関への説明資料として使える

ポイント:銀行融資を申し込む際、資金繰り表の提出を求められることがあります。日頃から作成しておくと、いざという時にも慌てません。

【無料】資金繰り表テンプレートをダウンロード

まずはテンプレートを使って、資金繰り表作成を始めましょう。当サイトオリジナルのExcelテンプレートと、公的機関が提供するテンプレートをご紹介します。

MAGI BIZ INSIGHTオリジナルテンプレート

中小企業・個人事業主向けに使いやすく設計した、当サイトオリジナルのテンプレートです。


📥 MAGI BIZ INSIGHT オリジナルテンプレート

  • 月次管理用(12ヶ月分)
  • 収入・支出の主要項目を網羅
  • 計算式設定済みで自動計算
  • 使い方シート付き


公的機関が提供する無料テンプレート

公的機関が提供するテンプレートも信頼性が高く、おすすめです。


提供元特徴入手先日本政策金融公庫創業計画書と連動、融資申込時に活用可能各種書式ダウンロード中小企業庁経営改善計画用、詳細な分析が可能経営革新支援各地の商工会議所地域に密着したサポートとセットで入手可能最寄りの商工会議所へ相談J-Net21(中小機構)経営に役立つ各種テンプレートを無料提供J-Net21

テンプレート選びのポイント

  • 自社の業種・規模に合った項目があるか
  • 月次・週次・日次など、必要な単位で管理できるか
  • Excelで編集可能か(計算式が組まれているか)
  • 融資申込に使う場合は、金融機関指定のフォーマットを確認

資金繰り表の基本構成

資金繰り表の基本的な構成要素を理解しましょう。

資金繰り表の3つのパート

パート内容具体例①収入の部入ってくるお金売上入金、借入金、補助金など②支出の部出ていくお金仕入、人件費、家賃、借入返済など③繰越残高手元に残るお金前月繰越+収入−支出=翌月繰越

収入の部(入金項目)

  • 経常収入:売上入金(現金売上、売掛金回収)
  • 経常外収入:借入金、資産売却、補助金・助成金、出資金など

支出の部(出金項目)

  • 経常支出:仕入代金、人件費、家賃、水道光熱費、通信費、広告費など
  • 経常外支出:借入金返済(元金)、設備投資、税金など

計算式

翌月繰越残高 = 前月繰越残高 + 収入合計 − 支出合計

この計算を毎月(または毎週・毎日)繰り返すことで、将来の資金残高を予測できます。

資金繰り表の作り方【5ステップ】

実際に資金繰り表を作成する手順を、5つのステップで解説します。

Step1:テンプレートをダウンロードする

ゼロから作成するのは大変なので、まずはテンプレートを活用しましょう。上記でご紹介した当サイトオリジナルテンプレート、または公的機関のテンプレートをダウンロードしてください。

Step2:前月繰越残高を入力する

現在の手元資金(現金+預金)を確認し、「前月繰越」欄に入力します。これが資金繰り表のスタート地点となります。


テンプレートの使い方:当サイトのテンプレートでは、4月の前月繰越のみ入力すれば、5月以降は自動で引き継がれます。青文字のセルが入力箇所です。

Step3:収入を予測して入力する

今後の入金予定を入力します。

  • 現金売上:過去の実績から予測
  • 売掛金回収:請求書の入金予定日を確認
  • その他収入:借入予定、補助金入金予定など

⚠ 注意

売上と入金は異なります。「売上が立った日」ではなく「実際に入金される日」で記録しましょう。

Step4:支出を予測して入力する

今後の出金予定を入力します。

  • 仕入代金:発注済みの支払い予定
  • 人件費:給与、社会保険料など
  • 固定費:家賃、リース料、通信費など(毎月ほぼ一定)
  • 借入返済:返済スケジュールを確認
  • 税金:納付時期に注意(法人税、消費税、源泉税など)

Step5:翌月繰越残高を確認する

テンプレートを使えば、翌月繰越残高は自動計算されます。

翌月繰越がマイナスになる月があれば、その前に対策が必要です。資金調達を検討するか、支出を見直しましょう。

資金繰り表の記入例

実際の数字を使った記入例を見てみましょう。

【例】小売業A社の資金繰り表

項目4月5月6月前月繰越500万円450万円350万円

【収入の部】 現金売上200万円180万円220万円 売掛金回収150万円170万円160万円収入合計350万円350万円380万円

【支出の部】 仕入代金180万円200万円190万円 人件費120万円120万円120万円 家賃30万円30万円30万円 借入返済50万円50万円50万円 その他20万円50万円20万円

支出合計400万円450万円410万円翌月繰越450万円350万円320万円

この例では、毎月50〜100万円ずつ資金が減少しています。このペースが続くと、数ヶ月後には資金ショートの可能性があるため、早めの対策が必要です。

資金繰り表を活用するコツ

作成した資金繰り表を経営に活かすためのコツを紹介します。

コツ①:定期的に更新する

資金繰り表は作って終わりではありません。最低でも月1回、理想は週1回更新しましょう。

  • 予測と実績のズレを確認
  • 新たな入出金予定を追加
  • 3ヶ月先までの予測を常に維持

コツ②:複数シナリオを作成する

楽観的な予測だけでなく、悲観的なシナリオも作成しておくと安心です。

  • 標準シナリオ:通常通りの予測
  • 悲観シナリオ:売上が20%減少した場合
  • 楽観シナリオ:売上が20%増加した場合

コツ③:アラートラインを設定する

「残高が○○万円を下回ったら対策を打つ」というアラートラインを決めておきましょう。

アラートラインの目安

  • 安全ライン:月商の2ヶ月分以上
  • 注意ライン:月商の1ヶ月分
  • 危険ライン:月商の0.5ヶ月分以下

コツ④:予実管理を行う

予測(計画)と実績を比較し、ズレが生じた原因を分析しましょう。

  • なぜ売掛金の回収が遅れたのか?
  • なぜ支出が予測を上回ったのか?
  • 次回の予測精度を上げるには?

よくある失敗と対策

失敗①:売上と入金を混同する

「売上が立った日」ではなく「入金日」で記録しないと、実際の資金残高とズレが生じます。

対策:売掛金の入金サイトを正確に把握し、入金日ベースで記録する。

失敗②:税金の支払いを忘れる

法人税、消費税、源泉税などは支払い時期が決まっています。忘れると大きな資金流出になります。

対策:税金の納付時期を事前にカレンダーに入れ、資金繰り表に反映する。

失敗③:楽観的すぎる予測

「来月は売上が伸びるはず」という希望的観測は危険です。

対策:過去の実績に基づいた保守的な予測を基本とする。

失敗④:更新をサボる

作成しただけで放置すると、すぐに使えない資料になってしまいます。

対策:毎週決まった曜日に更新する習慣をつける。

まずは相談してみよう

「資金繰り表を作ってみたけど、この数字で大丈夫か不安」「資金ショートしそうな時期がある」という方は、早めに相談しましょう。

当サイトのAIコンサルタントは、24時間いつでもあなたの資金繰りの悩みをお聞きします。資金繰り表の見方や改善策についてもアドバイスいたします。

また、資金調達が必要な場合は、金融機関データベースで200社以上の銀行・金融機関情報を検索できます。ぜひご活用ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 資金繰り表は毎日つける必要がありますか?

資金繰りに余裕がある場合は月次でも構いませんが、厳しい状況では週次または日次での管理をおすすめします。状況に応じて頻度を調整しましょう。

Q2. 個人事業主でも資金繰り表は必要ですか?

はい、必要です。むしろ個人事業主は事業と生活の資金が混同しやすいため、資金繰り表で「見える化」することが重要です。

Q3. 会計ソフトと資金繰り表は別々に管理するのですか?

会計ソフトは「過去の記録」、資金繰り表は「未来の予測」という役割の違いがあります。両方を活用するのが理想ですが、まずは資金繰り表から始めましょう。

Q4. 何ヶ月先まで予測すればいいですか?

最低でも3ヶ月先、理想は6ヶ月〜1年先まで予測できると安心です。ただし、先になるほど精度は落ちるため、直近3ヶ月の精度を重視しましょう。

まとめ

資金繰り表作成のポイント

  • 資金繰り表は「将来の資金予測」のためのツール
  • 収入の部・支出の部・繰越残高の3パートで構成
  • 売上ではなく「入金日」ベースで記録する
  • 最低月1回、厳しい時は週1回更新する
  • アラートラインを設定し、早めに対策を打つ

まずはテンプレートをダウンロードして、今日から資金繰り管理を始めましょう。

資金繰り表は、経営者にとって「お金の健康診断表」のようなものです。定期的にチェックすることで、資金ショートという大病を未然に防げます。本記事を参考に、ぜひ今日から資金繰り管理を始めてみてください。

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