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OpenAIへの出資金を、ジャンク債で集める — ソフトバンクGが110億ドル超を起債、アジアの事業会社で過去最大級

2026年9月21日(更新 2026年10月15日) MBI経済ニュース編集部

OpenAIへの出資金を、ジャンク債で集める — ソフトバンクGが110億ドル超を起債、アジアの事業会社で過去最大級

ソフトバンクグループが2026年9月21日、米ドル建て100億ドルとユーロ建て10億ユーロ、あわせて110億ドル超の無担保社債を売り出した。使い道はOpenAIへの追加出資の3回目の払い込み100億ドル。格付けはフィッチのBB+(投機的等級の最上位)で、予定額どおりに決まればアジア太平洋・日本の事業会社の社債として過去最大になる。OpenAIへの出資は銀行のつなぎ融資から社債市場の投資家へ引き継がれたが、同社ドル債の利回りは1月の6.7%から8.2%へ上がっている。

スライド01 ソフトバンクG、110億ドル超の社債

ソフトバンクGが、110億ドルを超える社債を売り出した

ソフトバンクグループ(SBG)が2026年9月21日(日本時間)、米ドル建てで100億ドル、ユーロ建てで10億ユーロ、あわせて110億ドルを超える無担保の社債を売り出しました。ロイターが確認した条件表によると、ドル建ては期間3.5年・5.5年・7.5年の3本、ユーロ建ては4年・6年の2本に分かれます。

条件が決まるのは9月24日、投資家との受け渡しは9月29日の予定です。予定どおりの額で決まれば、アジア太平洋と日本の事業会社(金融機関を除く)が出す社債としては過去最大になります。これまでの最大は、2021年1月にセブン-イレブンが出した109億3,000万ドルでした。

ただし「過去最大」は、あくまで予定額どおりに決まった場合の話です。需要次第で額は動きます。まずは9月24日の条件決定を待つ段階です。

スライド02 使い道はOpenAIへの3回目の払い込み

使い道は、OpenAIへの3回目の払い込み100億ドル

集めたお金の使い道ははっきりしています。OpenAIへの追加出資の3回目の払い込み、100億ドルです。払い込みは10月1日に完了する予定で、残りは一般的な事業資金に回ります。

SBGは2026年2月にOpenAIへの追加出資を発表し、4月に1回目、7月に2回目を払い込んできました。今回がその3回目にあたります。ブルームバーグによると、払い込みが終わるとSBGのOpenAIへの出資は累計で約646億ドル、持分は約13%になります。

つまり今回の社債は、OpenAIに流れるお金をそのまま市場から借りてくる形です。AI企業への投資が、日本企業の社債を通じて世界の投資家につながった、と見ることもできます。

スライド03 お金の出し手が銀行から投資家へ

つなぎ融資から社債へ ― お金の出し手が銀行から投資家に移った

この出資は、最初は銀行のお金で始まりました。SBGの開示によると、同社は2026年3月、主にOpenAIへの追加出資のために、枠400億ドルのつなぎ融資(ブリッジローン)を結びました。引き出した額は累計300億ドルです。

そして9月9日、残っていた259億ドルを9月15日に全額、期限前に返すと発表しました。今回の社債では、さらに別に用意していた100億ドルのつなぎ融資の枠も取り消します。

つなぎ融資は、文字どおり「長いお金が用意できるまでのつなぎ」です。期間が短く、貸し手は一部の大手銀行に限られます。それを期間3.5〜7.5年の社債に置き換えることで、SBGは返済の期限を先へ延ばし、リスクの持ち手を銀行から幅広い投資家へ移したことになります。

スライド04 格付けはBB+ 投資適格の一段下

格付けはBB+ ― 「ジャンク債」と呼ばれる理由

格付け会社フィッチ・レーティングスは、今回の社債にBB+を付けました。これは投資適格とされるBBB-のすぐ下、投機的な等級の中ではいちばん上の段です。この等級の社債は一般に「ハイイールド債」、俗に「ジャンク債」と呼ばれます。

フィッチは、SBGの借入が出資の払い込みに合わせて増えると見ています。保有資産の価値に対する借入の比率(LTV)は、総額ベースで2026年6月末の約20%から、2027年3月末には約31%へ、純額ベースでは約18%から約28%へ上がる見通しです。

一方で、手元資金は6月末で現預金が約1.8兆円、使っていない融資枠が約4,900億円あり、今後2年の社債の償還は約1.5兆円です。フィッチは「十分な手元資金と資本市場へのアクセスを保つ」とみています。SBG自身は平時のLTVを25%未満に保つ方針を掲げていますが、フィッチの計算とSBGの計算は定義が同じとは限らない点に注意が必要です。

スライド05 借りる値段は上がっている

借りる値段は上がっている ― 利回り6.7%から8.2%へ

資金は集まりそうですが、その値段は上がっています。ブルームバーグによると、SBGの2031年満期のドル建て社債の利回りは、1月の6.7%から8.2%へ上昇しました。社債の債務不履行に備える保険料(CDS)も、3年ぶりの高い水準にあります。

株価も、6月につけた上場来高値から約34%下がっています。資金の手当ても社債だけではありません。保有するアーム株を担保にした借入の枠は、200億ドルから250億ドルへ広げられました。

SBGは2026年に入ってから、複数の通貨で約150億ドルの社債を出しており、ブルームバーグは同社を今年最大のジャンク格付けの借り手と位置づけています。AIへの大きな賭けを支える資金の値段が、少しずつ上がっていることは押さえておきたい点です。

スライド06 同じ24時間 米国の建設計画680億ドルが足止め

同じ24時間に ― 米国ではデータセンター680億ドル分が足止め

お金を集める側の話と同じ日に、お金を使う側の話も出てきました。ブルームバーグは9月21日、調査団体データセンター・ウォッチの報告として、2026年4〜6月に米国で45件、総額680億ドル分のデータセンター計画が、地元の反対で止められたり遅れたりしたと伝えました。

反対運動の団体は49の州で843にのぼり、30の州議会がデータセンターの立地、電力、水の使い方についてルールを出したか、検討しています。1〜3月には75件、約1,300億ドル分の計画が反対に直面していました。

今回の報告は、反対運動が米国の外、欧州やオーストラリア、南アフリカにも広がっていると初めて指摘しています。お金が集まっても、建物が建つまでの時間は延びうる。AI投資の回収の見通しを考えるうえで、無視できない変数です。

スライド07 投資と生活への3つの経路

投資家と、普段の生活にとっての意味

一つめは、個人の資産です。SBGは個人向け社債の発行体として国内でも最大級で、9月4日にも第70回の円建て社債の条件を決めたばかりです。株式や投資信託を通じて同社に間接的に投資している人も多くいます。今回の資金はドル建て・ユーロ建てですが、同じ会社の借入が全体として増えていくことは、円建ての社債を持つ人にも関係します。

二つめは、AIの料金です。OpenAIに流れるお金の一部は、利回り8%前後の資金でまかなわれています。調達の値段が上がれば、それはいずれAIサービスの価格を下から支える要因になります。「AIの値段は放っておいても下がり続ける」という前提は、置きにくくなっています。

三つめは、電気と建設です。集めたお金はデータセンターと半導体に向かいますが、米国では反対運動で計画の足止めが続いています。建設が遅れれば投資の回収も遅れ、その分だけ資金を借りている期間の利息がかさみます。

スライド08 次に確かめる3つの日付

次に確かめるのは、3つの日付

この話は、この先の3つの日付で答え合わせができます。

一つめは9月24日の条件決定です。最終的な発行額と利率が決まります。予定の110億ドル超を上回る需要が集まるか、利率が今の流通利回り8%前後と比べてどうなるかが、投資家のAIへの見方を測る材料になります。

二つめは9月29日の受け渡し、三つめは10月1日のOpenAIへの払い込みです。払い込みが終われば、SBGのOpenAIへの出資は約646億ドルに達します。OpenAIが上場するまでのあいだ、その資金を誰がどの金利で持ち続けるのかが、AI業界全体のお金の流れを決めていきます。

まとめ

ソフトバンクグループは、OpenAIへの追加出資の3回目の払い込み100億ドルにあてるため、米ドル建て100億ドルとユーロ建て10億ユーロ、あわせて110億ドル超の社債を売り出した。格付けはフィッチのBB+で、予定額どおりに決まれば、アジア太平洋・日本の事業会社の社債として過去最大になる。

出資は銀行のつなぎ融資で始まり、社債市場の投資家へ引き継がれた。一方で同社のドル債の利回りは1月の6.7%から8.2%へ上がり、フィッチはLTVが2027年3月末に約31%(総額ベース)へ上がると見る。AIへの賭けを支える資金は集まるが、その値段は上がっている。

同じ日、米国では4〜6月に680億ドル分のデータセンター計画が地元の反対で止まったり遅れたりしたと報じられた。次に確かめるのは、9月24日の条件決定、9月29日の受け渡し、10月1日の払い込みの3つの日付である。

(噂レベル)OpenAIの上場が2027年にずれ込む可能性があると関係者の話として報じられているが、会社の発表ではない。

出典・参考情報

  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ブリッジローンの期限前返済に関するお知らせ」2026年9月9日
  • Fitch Ratings:SoftBank Group の米ドル建て・ユーロ建て無担保シニア債への BB+ 付与(2026年9月21日)
  • Reuters:SoftBank Group launches over $10 billion in bonds for OpenAI investment, term sheet shows(2026年9月20日)
  • Bloomberg:SoftBank Seeks Over $11 Billion in Junk Bonds for OpenAI Bet(2026年9月21日)
  • Bloomberg:New Data Centers Worth $68 Billion Disrupted in US, Data Show(2026年9月21日)
  • Data Center Watch(10a Labs):2026年第2四半期報告

※ 本記事の金額は特記のないかぎり米ドル建てです。社債の発行額・利率は9月24日の条件決定で確定するもので、本記事の時点では予定値です。「過去最大」は予定額どおりに決まった場合の比較です。本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。

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