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グーグル最強AI「Gemini 4 Argon」、最初に使えるのはサイバー防御の専門家だけ — 料金はGPT-6 Astraの5分の1、発表翌日のアルファベット株は2%安

グーグルが9月30日、次世代の最上位AI「Gemini 4 Argon」を発表。公表18項目中13で首位か同率首位、料金は導入価格でGPT-6 Astraの5分の1。ただし最初に使えるのはサイバー防御の専門家だけ。病院のソフトの弱点まで見つけた力を、まず守る側に渡す。アルファベット株は発表翌日に2%安。投資と暮らしへの影響を整理する。
グーグルが「Gemini 4 Argon」を発表 — 最初に使えるのは、サイバー防御の専門家だけ
グーグルが9月30日(米国時間)、次の世代の最上位AIモデル「Gemini 4 Argon(ジェミニ4 アルゴン)」を発表しました。前の最上位モデル Gemini 3 の公開(2025年11月)から、約10か月ぶりの大型発表です。
- 得意とするのはソフトウェア開発、企業の業務、サイバー攻撃からの防御
- 一度に書き出せる量を100万トークンに拡大(従来は6万4,000トークン)
- ただし最初に使えるのは、「Fairwind(フェアウィンド)プログラム」に参加する、信頼できるサイバー防御の専門家だけ
一般の開発者や企業、消費者への提供は「できるだけ早く」とされ、時期は示されていません。まずは有料APIの利用者と、上位プラン「Google AI Ultra」の加入者から広げる予定です。
何がすごいのか — 公表した18項目のうち13で首位か同率首位
グーグルが公表したテストの成績を、VentureBeatが比べたところ、Argonは18項目のうち13項目で首位か同率首位でした。比べた相手は、OpenAIのGPT-6 Astraと、AnthropicのClaude Opus 5.5です。
- ソフト開発(DeepSWE v1.1):Argon 77.9%/Opus 5.5 74.2%/Astra 74.1%
- 業務の自動化(AutomationBench):Argon 51.3%/Opus 5.5 42.5%/Astra 41.4%
- 長い動画の理解(LVBench):Argon 91.7%/Astra 87.5%/Opus 5.5 83.7%
一方で、負けた項目もあります。難しいソフト開発のテスト(FrontierSWE v2)ではAstraが65.5%、Argonは55.0%。ターミナル操作のテスト(Terminal-bench 4.0)ではOpus 5.5が66.4%、Argonは57.4%でした。「すべてで一番」ではなく、「多くの項目で一番」というのが正確な見方です。
料金は「GPT-6 Astraの5分の1」 — 導入価格で入力2ドル・出力10ドル
もう一つの目玉は料金です。開発者向けの料金は、導入価格で入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドル。同じ前提文をくり返し送る場合(キャッシュ)は、入力が95%引きになります。
- Gemini 4 Argon(導入価格):入力2ドル/出力10ドル
- Gemini 4 Argon(通常価格):入力4ドル/出力20ドル
- Claude Opus 5.5:入力4ドル/出力20ドル
- GPT-6 Astra:入力10ドル/出力50ドル
導入価格なら、GPT-6 Astraの5分の1、Claude Opus 5.5の半分です。通常価格に戻っても、Opus 5.5と同じ水準にとどまります。ただし、導入価格がいつまで続くかは示されていません。
なぜ限定公開なのか — 病院のソフトの弱点を見つけた力は、攻撃にも使える
これほど強いモデルを、なぜ一部の人にしか渡さないのでしょうか。理由は、サイバー攻撃の能力です。
- セキュリティ企業Wizの取り組みでは、Argonが世界の病院で使われる医療ソフトに、個人情報が漏れうる重大な弱点を見つけた。従来の最上位モデルは見逃していたもの
- Argonは、弱点を自分で見つけ、確かめ、直すところまでこなせるとされる
- AIに隠れた命令を読ませて乗っ取るテスト(Gray Swan)では、攻撃の成功率が0.7%(GPT-6 Astraは8.5%)
弱点を見つける力は、守る側にも、攻める側にも役立ちます。そこでグーグルは、まず信頼できる防御の専門家に使ってもらい、悪用を防ぐ仕組みを固めてから広げるとしています。米政府の公開前の審査にも参加しています。
グーグル社内ではすでに稼働 — 古いコードの置き換えと、データセンターの節約
Argonは、外に出る前からグーグル社内の開発ですでに使われています。公式ブログが挙げた成果は、次のとおりです。
- 動画を再生する部品(libgav1)で、3万2,000行の高速化コードを置き換え、2.7倍速くした
- データセンターのメモリの使い方を見直し、500テビバイトから1ペビバイトの節約を見込む
- 量子計算の手法の改良で、公開済みの基準より40%改善
- C/C++で書かれた古いコードを、より安全な言語Rustへ移す作業にも使用
ポイントは、「人がやると何か月もかかる、地味で大きな作業」をAIが肩代わりし始めていることです。グーグルにとっては、自社の設備の費用を下げる道具にもなっています。
投資への影響 — 発表直後は買い、翌日は2%安。「安さ」と「出し方」が評価の軸に
株式市場の反応は、行って来いでした。
- 9月30日の時間外:アルファベット(GOOG)が1.70%高の346.52ドル(Benzinga)
- 10月1日の寄り付き前:GOOGLが約2%高(Investing.com)
- 10月1日の取引時間中:GOOGLが2%安の338.85ドル。同じ時刻、ハイテク株のETF(XLK)は1%高(24/7 Wall St.、米東部13時51分時点)
下げた理由ははっきりしていませんが、すぐに売上に結びつかない限定公開だったことは、市場が見る材料の一つです。一方で、最上位モデルを他社の5分の1の料金で出してきたことは、AIの値下げ競争を強めます。投資の目線では、今後は「どれだけ賢いか」だけでなく、「いくらで、いつ、誰に出せるか」が、AI企業を比べる軸になっていきます。
仕事と暮らしへの影響 — 使えるのはまだ先。その前に「守り」が強くなる
私たちがArgonを直接使えるのは、まだ先です。それでも、暮らしと仕事に関わる変化は、先に始まります。
- 守りが先に強くなる:病院や銀行などのソフトの弱点が、攻撃される前に見つかりやすくなる。アップデートの通知が増えたら、早めに当てるのが大切
- AIの料金が下がる:一般公開されれば、AIを組み込んだアプリやサービスの原価が下がり、値下げや機能追加につながりうる
- 「一番強いAI」は後から来る:これからは、強いモデルほど、まず専門家、次に有料の利用者、最後に一般という順で広がる
会社でAIを使う側は、モデルを1つに決め打ちせず、作業ごとに切り替えられる作りにしておくと、新しいモデルが出たときに得をしやすくなります。
注意しておきたい点と、次に見るポイント
読み違えやすいところを、先に整理しておきます。
- 成績は、主にグーグルが公表した数字です。外部の評価がそろうのは、使える人が増えてからです。
- 「18項目中13で首位」は、VentureBeatの集計で、同率首位を含みます。負けた項目もあります。
- 導入価格(入力2ドル・出力10ドル)は期間限定で、通常価格は2倍です。期間は示されていません。
- 株価の下げの理由は特定されていません。1日の値動きで評価を決めるのは早すぎます。
次に見るポイントは2つです。①有料APIの利用者とGoogle AI Ultraの加入者に、いつ開かれるか、そして②OpenAIとAnthropicが、料金や出し方でどう応じるかです。最上位AIの競争は、性能だけでなく「値段」と「安全な出し方」の勝負に移りつつあります。
まとめ
グーグルが、次の世代の最上位AI「Gemini 4 Argon」を発表しました。公表した18項目のうち13で首位か同率首位、料金は導入価格でGPT-6 Astraの5分の1です。
ただし、最初に使えるのはサイバー防御の専門家だけ。病院のソフトの弱点まで見つけた力を、まず守る側に渡す出し方です。株価は発表直後に上がり、翌日は2%安になりました。
最上位AIの競争は、性能・値段・安全な出し方の3つで比べる段階に入っています。
出典・参考情報
- Google公式ブログ「Gemini 4 Argon: our next era of frontier intelligence」2026年9月30日 — blog.google
- VentureBeat「Google unveils Gemini 4 Argon, retaking benchmark lead over OpenAI and Anthropic — but in limited release」2026年9月30日 — venturebeat.com
- Benzinga「Alphabet Stock Jumps as Google Releases Gemini 4 Argon」2026年9月30日 — benzinga.com
- Investing.com(Yahoo Finance掲載)「Alphabet shares up in premarket trade after Gemini 4 Argon launch」2026年10月1日 — finance.yahoo.com
- 24/7 Wall St.「Alphabet Slips After Gemini 4 Argon Launch as Tech Sector Rises」2026年10月1日 — 247wallst.com
- Dataconomy「Google Launches Gemini 4 Argon For Select Cybersecurity Partners」2026年10月1日 — dataconomy.com
※噂レベル:Bloombergが社内でArgonの実務での性能に懐疑的な声があると報じたとされるが、本記事では未確認。一般公開の時期と導入価格の期間は公表されていない。本記事は投資助言ではありません。