「個人事業主はクレジットカードの審査に通りにくい」——こんな話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、フリーランスや個人事業主は会社員と比べて審査で不利になりやすい傾向があります。しかし、審査の仕組みを理解し、適切な対策を取れば、審査通過の可能性を高めることができます。
この記事では、個人事業主・フリーランスがクレジットカード審査に通るためのコツを、審査で見られるポイント、カードの選び方、信用情報の確認方法、審査落ち後の対処法まで詳しく解説します。
個人事業主・フリーランスは審査に不利?その理由
まず、なぜ個人事業主やフリーランスは審査に不利とされるのか、その理由を理解しておきましょう。
会社員と比べて「収入が不安定」と見なされる
クレジットカードの審査では、「返済能力」が重要な判断基準になります。会社員は毎月決まった給与が支払われるため、収入が安定していると見なされます。
一方、個人事業主やフリーランスは、月によって収入が変動することが多く、「収入が不安定」と判断されやすいのです。たとえ年収が会社員より高くても、この点がマイナス評価になることがあります。
開業直後は実績がなく信用が低い
開業して間もない個人事業主は、事業の継続性を証明できる実績がありません。カード会社としては「この人の事業は今後も続くのか」「安定して返済できるのか」という点が不透明なため、審査が慎重になります。
一般的に、開業から1年以上経過し、確定申告を1回以上済ませていると審査で有利になるとされています。
審査で見られる3つのポイント
クレジットカードの審査では、主に以下の3つのポイントが確認されます。
| 審査項目 |
内容 |
個人事業主の注意点 |
| 信用情報 |
過去の返済履歴、延滞・債務整理の有無 |
CIC・JICCで事前に確認を |
| 属性情報 |
年収、勤務形態、勤続年数、居住形態 |
事業歴・確定申告の有無が重要 |
| 他社借入状況 |
現在の借入件数・借入総額 |
借入が多いと審査に不利 |
特に重要なのが「信用情報」です。過去に延滞や債務整理の記録があると、審査通過は非常に難しくなります。
審査に通りやすくなる5つのコツ
個人事業主・フリーランスが審査通過の可能性を高めるための具体的なコツを5つ紹介します。
開業届を提出し「個人事業主」として申告する
税務署に開業届を提出していることは、事業の正式なスタートを証明する第一歩です。
クレジットカードの申込時、職業欄で「自営業」や「個人事業主」を選択できます。開業届を出していない場合は「無職」や「その他」と見なされる可能性があり、審査で不利になります。
ポイント:開業届は税務署に提出するだけで完了します。提出していない方は、まず開業届を出しましょう。提出費用は無料で、特にデメリットはありません。
確定申告書で収入を証明できるようにする
個人事業主の収入を証明する最も確実な書類が「確定申告書」です。1回以上の確定申告実績があると、審査で有利に働きます。
確定申告書には事業収入が記載されているため、カード会社に「この人には安定した事業収入がある」と判断してもらいやすくなります。
【補足】開業1年未満でも審査に通る?
開業1年未満で確定申告の実績がなくても、審査に通るカードはあります。流通系や消費者金融系のカードは比較的審査が柔軟なため、実績がない段階ではこれらのカードを検討しましょう。
固定電話・事業用の連絡先を用意する
申込時に記入する電話番号は、携帯電話だけでなく固定電話があると信用度が上がるとされています。
自宅兼事務所で固定電話を引いている場合は、その番号を記入しましょう。バーチャルオフィスの電話番号でも、事業用の連絡先があることをアピールできます。
キャッシング枠は0円で申し込む
クレジットカードの申込時には、キャッシング枠を設定するかどうか選択できます。キャッシング枠を希望すると、その分審査が厳しくなる傾向があります。
⚠ 注意
キャッシング枠は総量規制の対象となり、年収の3分の1までという上限があります。他にキャッシングやカードローンの借入があると、その分審査に不利になります。審査通過を優先するなら、キャッシング枠は「0円」または「希望しない」で申し込みましょう。
申込情報は正確に、漏れなく記入する
当たり前のことですが、申込情報は正確に記入することが重要です。年収や勤務先(事業内容)を偽って申告すると、審査落ちの原因になるだけでなく、虚偽申告として問題になる可能性もあります。
また、記入漏れや誤字があると審査がスムーズに進まず、余計な時間がかかることがあります。申込前に入力内容を再確認しましょう。
審査に通りやすいカードの選び方
審査基準はカード会社や券種によって異なります。個人事業主が審査に通りやすいカードの選び方を解説します。
流通系・消費者金融系カードは審査が柔軟
クレジットカードは発行元によって「銀行系」「信販系」「流通系」「消費者金融系」などに分類されます。一般的に、審査難易度は以下の順とされています。
| カード分類 |
審査難易度 |
代表的なカード例 |
| 銀行系 |
厳しめ |
三井住友カード、三菱UFJカードなど |
| 信販系 |
普通 |
JCBカード、オリコカードなど |
| 流通系 |
柔軟 |
楽天カード、イオンカードなど |
| 消費者金融系 |
柔軟 |
アコムACマスターカード、ライフカードなど |
審査に不安がある方は、流通系や消費者金融系のカードから申し込むのがおすすめです。
個人事業主・フリーランス向けを明示しているカード
「個人事業主OK」「フリーランス歓迎」と明示しているカードは、その層を取り込みたいと考えているため、審査基準もそれに合わせて設定されている可能性があります。
たとえば、三井住友カード ビジネスオーナーズは「中小企業代表者もしくは個人事業主」を対象としており、登記簿謄本や決算書なしで申し込めます。
年会費無料の一般カードから始める
ゴールドカードやプラチナカードは、一般カードと比べて審査基準が高く設定されています。まずは年会費無料の一般カードで実績を積み、その後グレードアップするという戦略が有効です。
審査前に確認すべき信用情報
クレジットカードの審査では、信用情報機関に登録されている情報が必ず照会されます。審査に申し込む前に、自分の信用情報を確認しておくことをおすすめします。
CIC・JICCとは?開示請求の方法
日本には主に3つの信用情報機関があります。クレジットカードの審査では、主にCICとJICCの情報が照会されます。
| 機関名 |
主な加盟会員 |
開示請求費用 |
| CIC |
クレジットカード会社、信販会社 |
500円〜1,000円 |
| JICC |
消費者金融、クレジットカード会社 |
1,000円 |
| KSC(全銀協) |
銀行、信用金庫 |
1,000円〜1,124円 |
開示請求はインターネット、郵送、窓口で行えます。自分の信用情報に問題がないか、事前に確認しておくと安心です。
審査に影響する「異動情報」とは
信用情報には「異動」という記録が残ることがあります。異動情報とは、返済に重大な問題があったことを示す情報で、以下のような場合に登録されます。
- 61日以上または3ヶ月以上の延滞
- 保証会社による代位弁済
- 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)
異動情報が登録されていると、ほとんどのクレジットカード審査に通らなくなります。異動情報は完済後も5年間(自己破産は5〜10年間)記録が残ります。
ブラックリストに載っているか確認する方法
「ブラックリスト」という名称のリストは実際には存在しませんが、信用情報に異動情報が登録されている状態を俗に「ブラックリストに載っている」と表現します。
自分がブラックリスト状態かどうかは、CICやJICCに開示請求することで確認できます。開示報告書の「返済状況」欄に「異動」と記載されていなければ、いわゆるブラックリスト状態ではありません。
審査に落ちた場合の対処法
残念ながら審査に落ちてしまった場合でも、諦める必要はありません。以下の対処法を検討しましょう。
6ヶ月以上間隔を空けて再申込
クレジットカードの申込履歴は、信用情報機関に6ヶ月間記録されます。審査落ちの履歴が残っている状態で再申込しても、「何か問題があるのでは」と判断されやすくなります。
審査に落ちた後は、最低でも6ヶ月以上間隔を空けてから再申込するのがおすすめです。
審査基準が異なるカードを選ぶ
カード会社によって審査基準は異なります。銀行系カードで落ちた場合は、流通系や消費者金融系のカードを試してみましょう。
また、同じカード会社でもグレードを下げる(ゴールド→一般カード)ことで審査に通ることがあります。
デビットカード・プリペイドカードで代替する
どうしてもクレジットカードが作れない場合は、審査不要のデビットカードやプリペイドカードで代替する方法があります。
| カード種類 |
特徴 |
審査 |
| デビットカード |
利用時に銀行口座から即時引き落とし |
原則不要 |
| プリペイドカード |
事前にチャージした金額の範囲で利用 |
不要 |
デビットカードは会計ソフトとの連携も可能なため、クレジットカードの代わりとして経費管理に活用できます。
家族カードという選択肢
配偶者や家族がクレジットカードを持っている場合、家族カードを発行してもらう方法もあります。家族カードは本会員の信用情報で発行されるため、自分自身の審査は行われません。
ただし、家族カードの利用分は本会員に請求されるため、事前に話し合いが必要です。
やってはいけないNG行動
審査通過を妨げるNG行動を紹介します。知らずにやってしまうと審査に悪影響を与えるため、注意しましょう。
短期間に複数のカードを申し込む
🚫 「申し込みブラック」に注意
短期間(1ヶ月以内など)に複数のクレジットカードを申し込むと、「お金に困っているのでは」「多重債務になるリスクがある」と判断され、審査に通りにくくなります。この状態を俗に「申し込みブラック」と呼びます。
申込履歴は6ヶ月間記録されるため、複数のカードを作りたい場合は1枚ずつ、間隔を空けて申し込みましょう。
年収や勤務先を偽って申告する
審査に通りたいあまり、年収を実際より高く申告したり、勤務先を偽ったりすることは絶対にやめましょう。
虚偽の申告は、審査で発覚する可能性があるだけでなく、後から問題になることもあります。カード会社は信用情報機関の情報と照合するため、矛盾があれば疑われます。
正確な情報で申し込み、それで審査に通らなければ別のカードを検討するのが正しい対応です。
在籍確認の電話に出られない状況を作る
クレジットカードの審査では、申込者の勤務先に在籍確認の電話がかかることがあります。個人事業主の場合は、申込書に記載した電話番号(自宅兼事務所など)に電話がかかってきます。
この電話に出られない、または対応できない状況だと、審査が進まなかったり、審査落ちの原因になったりすることがあります。
【対策】
申込後しばらくは、知らない番号からの電話にも対応できるようにしておきましょう。在籍確認の電話は「〇〇(カード会社名)ですが」と名乗ることが多いですが、プライバシーに配慮して個人名でかけてくることもあります。
まずは相談してみよう
「自分でも審査に通るカードがあるか知りたい」「審査に落ちてしまってどうすればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。
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この記事のまとめ
- 個人事業主は「収入が不安定」と見なされ審査で不利になりやすい
- 開業届の提出、確定申告の実績があると審査で有利になる
- キャッシング枠は0円で申し込み、申込情報は正確に記入する
- 流通系・消費者金融系カードは審査が比較的柔軟
- 審査前にCIC・JICCで自分の信用情報を確認しておく
- 審査に落ちたら6ヶ月以上空けて再申込、または別のカードを検討
- 短期間に複数申込、虚偽申告は絶対にNG