補助金・助成金
中小企業新事業進出補助金とは?事業再構築補助金との違いも解説【2025年新設】

2025年新設の中小企業新事業進出補助金を徹底解説。最大9,000万円の補助を受けられる本制度の対象者要件、補助額、対象経費、申請の流れを紹介。事業再構築補助金との違いや、採択されるためのポイントもわかりやすく説明します。
「新しい事業分野に挑戦したい」「既存事業だけでなく、新たな市場を開拓したい」という中小企業経営者に注目の補助金が、2025年に新設されました。
中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新分野への進出を支援する制度で、最大9,000万円(特例適用時)の補助を受けられます。事業再構築補助金の後継制度とも言われており、予算規模は1,500億円と大型の補助金です。
この記事では、中小企業新事業進出補助金の概要から申請方法、事業再構築補助金との違い、採択のポイントまで詳しく解説します。
中小企業新事業進出補助金とは
中小企業新事業進出補助金は、中小企業や小規模事業者が既存事業とは異なる新しい事業分野へ進出する際の設備投資等を支援する制度です。2025年4月に第1回公募が開始された新設の補助金です。
制度の概要
この補助金の特徴
- 新事業への挑戦を支援:既存事業とは明確に異なる新分野への進出が対象
- 大型の補助額:最大9,000万円(特例適用時)と、中小企業向けでは高額
- 賃上げと連動:補助金受給には賃上げ要件があり、従業員への還元が求められる
- 建物費も対象:機械装置だけでなく、建物の新築・改修も補助対象
ポイント:この補助金は「事業再構築補助金の後継」と言われていますが、制度の目的や要件は異なります。事業再構築補助金はコロナ禍からの回復支援が目的でしたが、新事業進出補助金は成長・拡大に向けた前向きな挑戦を支援する制度です。
補助額と補助率
中小企業新事業進出補助金の補助額は、従業員数によって上限が異なります。
従業員数別の補助上限額
※補助下限は750万円です。750万円未満の事業は申請できません。
補助率
補助率は一律1/2です。補助率を引き上げる特例は設けられていません。
【補助額の計算例】
従業員15人の企業が3,000万円の設備投資を行う場合
- 補助対象経費:3,000万円
- 補助率:1/2
- 補助額:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
- 自己負担:1,500万円
大幅賃上げ特例
以下の要件を満たす場合、補助上限額が引き上げられます。
- 補助事業終了後3〜5年間で、給与支給総額を年平均6%以上増加させる
- 補助事業終了後3〜5年間で、事業場内最低賃金を年平均45円以上増加させる
対象となる事業者の要件
中小企業新事業進出補助金に申請できるのは、以下の要件を満たす事業者です。
基本要件
- 中小企業基本法に定める中小企業者であること
- 従業員が1人以上いること(従業員0人は対象外)
- 創業後1年以上経過していること
中小企業者の定義
※資本金または従業員数のいずれかを満たせば該当します。
対象外となる事業者
- 過去16ヶ月以内に、新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金の採択を受けた事業者
- 従業員が0人の事業者
- 創業後1年未満の事業者
- みなし大企業(大企業が実質的に支配している中小企業)
- 申請時点で補助事業を実施中の事業者
補助対象となる事業の要件(新事業進出要件)
この補助金で最も重要なのが「新事業進出要件」です。既存事業と明確に異なる新しい事業への挑戦であることを示す必要があります。
新事業進出要件の3つの条件
以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
【新事業進出の具体例】
- 製造業の会社が、新たに飲食事業を開始する
- 美容室が、新たにEC通販事業を始める
- 建設会社が、介護施設の運営事業に進出する
- 印刷会社が、自社技術を活かしてオリジナル商品の製造・販売を始める
その他の必須要件
- 付加価値額要件:補助事業終了後3〜5年で、付加価値額を年平均3%以上増加させる計画
- 賃上げ要件:補助事業終了後3〜5年間、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上高い水準で維持
- 一般事業主行動計画の公表:次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を「両立支援のひろば」で公表
⚠ 注意
賃上げ要件や付加価値額要件が未達成の場合、補助金の一部返還を求められる可能性があります。達成可能な計画を策定しましょう。
補助対象となる経費
中小企業新事業進出補助金では、新事業に必要な幅広い経費が補助対象となります。
対象経費一覧
🚫 重要
「建物費」または「機械装置・システム構築費」のいずれかが必須です。これらを含まない申請はできません。
対象外となる経費
- 土地の取得費・賃借料
- 人件費・家賃・光熱費
- 汎用的に使用できるもの(パソコン、タブレット、自動車など)
- 消耗品・事務用品
- 補助対象期間外に発注・支払いした経費
事業再構築補助金との違い
中小企業新事業進出補助金は「事業再構築補助金の後継」と言われますが、両者には明確な違いがあります。
ポイント:事業再構築補助金は第13回(2025年)で新規募集が終了しました。今後、新事業への進出を検討する場合は、中小企業新事業進出補助金が選択肢となります。
公募スケジュール
中小企業新事業進出補助金は、年4回程度の公募が予定されています。
※スケジュールは変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
申請の流れ
中小企業新事業進出補助金の申請から受給までの流れを解説します。
STEP1:要件確認
自社が対象者の要件を満たしているか、計画している事業が「新事業進出要件」を満たすか確認します。「新事業進出指針」「新事業進出指針の手引き」を必ず参照しましょう。
STEP2:GビズIDの取得
電子申請にはGビズIDプライムが必要です。取得には1〜3週間かかるため、早めに準備しましょう。
STEP3:一般事業主行動計画の公表
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を作成し、「両立支援のひろば」で公表します。従業員数に関わらず必須の要件です。
STEP4:事業計画書の作成
補助事業の内容、新事業進出の新規性、市場分析、収支計画などを盛り込んだ事業計画書を作成します。
STEP5:電子申請
事業者向けポータルサイトから電子申請を行います。必要書類(決算書、労働者名簿、見積書など)をアップロードします。
STEP6:審査・採択
書面審査が行われ、採択結果が通知されます。採択された場合、交付申請を行います。
STEP7:事業実施・実績報告・受給
交付決定後に事業を実施し、完了後に実績報告書を提出します。確認を経て補助金が振り込まれます。
採択されるための5つのポイント
中小企業新事業進出補助金の採択を勝ち取るためのポイントを紹介します。
1. 新事業進出要件を明確に示す
「製品等の新規性」「市場の新規性」「新事業売上高要件」の3つを満たしていることを、事業計画書で具体的に説明しましょう。既存事業との違いを明確に示すことが重要です。
2. 既存事業の強みを活かした計画にする
全く経験のない分野への進出よりも、既存事業で培った技術・ノウハウ・顧客基盤を活かした新事業の方が、実現可能性が高いと評価されます。
3. 具体的な数値目標を設定する
売上高、付加価値額、利益率など、定量的な目標を具体的に設定し、その根拠を示しましょう。
4. 加点項目を活用する
本補助金には以下のような加点項目が設けられています。該当するものがあれば積極的に活用しましょう。
- 認定経営革新等支援機関からの支援を受けている
- 再生事業者である
- 特定事業者(被災事業者など)に該当する
5. 賃上げ計画の実現可能性を示す
賃上げ要件は必須です。無理のない計画を立て、どのように賃上げを実現するか具体的に説明しましょう。
まずは相談してみよう
「新事業進出補助金を使いたいけど、自社の計画が要件を満たすかわからない」「事業計画書の作成をサポートしてほしい」という方は、お気軽にご相談ください。
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また、補助金申請には自己資金が必要です。設備投資の半分は自己負担となるため、融資やファクタリングなど他の資金調達方法との組み合わせも検討しましょう。金融機関データベースでは700社以上の情報を掲載しています。
この記事のまとめ
- 中小企業新事業進出補助金は2025年新設の大型補助金(最大9,000万円)
- 既存事業とは異なる新分野への進出が対象、補助率は1/2
- 「製品の新規性」「市場の新規性」「新事業売上高要件」の3つを満たす必要あり
- 建物費または機械装置費のいずれかが必須
- 賃上げ要件があり、未達成の場合は返還の可能性
- 事業再構築補助金とは目的が異なる(コロナ回復ではなく成長・拡大)