ニュース業界・トレンド
世界の石油大手CEOが「イラン戦争の市場打撃は市場の想定を超える」と共同警告

世界主要石油会社の最高経営責任者たちが3月29日、イラン戦争による世界エネルギー市場への打撃は市場参加者の想定をはるかに超えると共同で警告した。マネーコントロールが報じたところによると、複数の石油大手CEOが石油価格の高止まりと供給不足が中長期的に続くとの見通しを示しており、「原油価格は急落を期待させるような材料がまったくない」との見方が共有されている。
主な論点として、ホルムズ海峡の封鎖がサウジアラビアの東西パイプラインによる部分的な代替で補われているものの、ホルムズ通過量約2000万バレル/日に対しヤンブーパイプラインでカバーできるのは最大700万バレル/日にとどまるという構造的なギャップが指摘されている。さらに精製品(ディーゼル・ジェット燃料・ナフサ)はパイプラインでは代替できず、欧州のディーゼル輸入の約30%・ジェット燃料輸入の約50%が中東産だという依存構造も改めて問題視されている。
石油各社のCEOたちは特に、フーシ派が紅海への参戦を表明したことで代替輸出ルートであるヤンブーの紅海航路も新たなリスクにさらされていることを警告した。加えて世界各地の石油在庫が急速に消費されており、生産能力に余裕のあるOPECプラス諸国でもホルムズ回避コストと保険費用の急騰が供給増強を難しくしているという。エネルギー業界の指導者たちはこの危機に関し、政治的解決なき石油供給危機は1970年代の石油危機を凌ぐ規模の世界経済へのダメージを招きうるとの警戒感を強めている。