ニュース規制・税制・政策
1月の実質賃金が1.4%増・13カ月ぶりプラス転換──基本給は過去最高の伸び

厚生労働省が3月9日に発表した1月分の毎月勤労統計によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比1.4%増となり、13カ月ぶりにプラスへ転換した。春闘の賃上げ効果を受けて基本給(所定内給与)の伸びが過去最高水準を記録したほか、政府のガソリン減税措置によりエネルギー関連の物価上昇が一服したことも指数を押し上げた。名目賃金(現金給与総額)は2.8%増と高い伸びを維持している。
この結果は、日本銀行が目指す「賃金と物価の好循環」の定着を示す根拠として注目を集めていた。ブルームバーグは「日銀正常化の支えとなるデータ」と報道し、春季労使交渉(春闘)で大企業を中心に5%前後の賃上げ回答が相次いでいることと合わせて、3月の金融政策決定会合での追加利上げ観測が高まっていた。
しかし同日、イラン戦争による原油高騰が進行しており、ニッセイ基礎研究所の斎藤アナリストは「プラス定着が崩れる可能性がある」と指摘した。輸入物価の大幅上昇がガソリン・電気代を押し上げ、2月以降の実質賃金を再びマイナスに引き戻す可能性があり、日銀の政策判断をめぐり不透明感が高まっている。
この記事は報道をもとにMBI経済ニュース編集部が要約したものです。元の記事:Bloomberg、時事通信、日本経済新聞