ニュースマーケット・相場観
スティーブン・ジェン氏、円高加速とキャリートレード解消リスクに警鐘

為替ストラテジストとして著名なスティーブン・ジェン氏(ユーリゾン・SLJキャピタル最高経営責任者)は5月27日、Bloombergのインタビューに対し、円相場が現行の1ドル=159円台から急速に円高方向に振れる可能性が高まっており、キャリートレードのアンワインドが金融市場全体のリスクオフを誘発しかねないと警告した。
ジェン氏は、日銀の早期追加利上げ観測と米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げ見通しが組み合わさることで、日米金利差が縮小に向かう構造変化を指摘した。グローバル投資家は2024年から積み上げてきた円資金調達の高金利資産投資ポジションを巻き戻す動きを強める可能性があり、新興国通貨や暗号資産にも連鎖的に売り圧力がかかる構図だ。
中東情勢の悪化に伴う有事の円買いや日本政府による為替介入観測も重なり、ボラティリティは上昇基調にある。財務省は前回の介入残弾数を公表していないが、市場では1ドル=160円ラインを「政治的引き金」と見る向きが多く、6月の日銀会合と為替政策決定がグローバル資金の地殻変動を左右する可能性が高まっている。