ニュースマーケット・相場観
豪ドル円が30年ぶり高値圏へ接近との見方、円キャリー取引の再燃が焦点に

オーストラリアドルの対円相場が今後30年ぶりの高値圏に接近するとの見方が、市場関係者の間で広がっている。日本とアメリカによる協調介入で一時円が買い戻された後も、円は主要通貨に対して弱含みで推移しており、オーストラリアドルとの金利差が引き続き円売りを促すとの分析である。
オーストラリア準備銀行が政策金利を当面据え置くとの見方が優勢な一方、日本銀行の政策金利は1%にとどまる。金利差を狙って低金利の円で資金を調達し、高金利通貨に投資するキャリー取引が再び活発化しやすい環境が続いている。介入によって水準が一時的に切り上がっても、金利差という構造要因が残る限り円安圧力は解消しにくい。
円安の長期化は輸入コストを通じて日本の物価を押し上げ、日本銀行の追加利上げを促す要因にもなる。一方で利上げが緩やかにとどまれば金利差は縮まりにくく、円安圧力が残る構図となる。企業にとっては想定為替レートの見直しや為替予約の運用が引き続き重要な経営課題であり、輸入比率の高い中小企業ほど価格転嫁の可否が業績を左右する。