ニュース解説・コラム・レポート
アジア市場が原油懸念を吸収する構造、市場の楽観に潜む「茹でガエル」リスク
2026年5月4日、The Straits Timesは解説記事「なぜアジア市場はエネルギー懸念をやり過ごしているのか」を掲載し、Iran戦争による供給ショック下でもアジア株式市場が下落を回避している構造を分析した。記事は、緩慢に温度が上昇する鍋で危険を察知できないカエルの寓話を引き、市場の楽観に潜むリスクを警告した。
通常の経済理論では、ホルムズ海峡を通る原油ガスの80〜90%がアジア向け、中東供給が原油輸入の40〜80%を占めるアジア市場こそ最も打撃を受けるはずである。しかし実態は逆で、東京・香港・ソウル・シンガポールの主要市場はおおむね底堅く推移している。AI関連の半導体需要・各国政府のエネルギー補助金・通貨防衛策・代替供給源確保の動きが下押し圧力を緩和している構図にある。
ただし記事は、IMF・JPモルガン・World Bankなど主要機関が「短期では吸収可能だが長期化すれば必ず影響が顕在化する」と警告している点を強調する。Brent原油が100ドル以上で数ヶ月続けば食品インフレに波及し、ASEAN消費者物価バスケットの25〜35%を占める食品が家計購買力を圧迫する。市場参加者にとって、現在の楽観相場は構造的脆弱性を覆い隠している可能性があり、リスク管理の観点から警戒が必要との分析だ。
この記事は報道をもとにMBI経済ニュース編集部が要約したものです。元の記事:The Straits Times